GitBook版あとがき
2017年10月から2018年4月の間にも、いくらかの状況の変化があった。
まず、インスタンス一覧については、公式サイトであるjoinmastodon.orgが長足の進歩を遂げた。joinmastodon.orgのインスタンス一覧は、かつては登録が古い順であったが、ランダムな配列に変更 [1] され、さらに現在は、週間アクティブユーザー数の順になっている。また、Peers API (/api/v1/instance/peers) が実装されたことにより、インスタンス一覧を自動的に作成する [2] ことが容易になった。一方で、h3zjp.sub.jp/mstdnとmastodon-instance.comが消滅するなど、新陳代謝が進んだ。
また、おすすめユーザーを提供する複数のウェブサイトが現れた [3] ことも、最近の話題である。分散SNSフォーラムによるもの (http://vinayaka.distsn.org) 、きゅうりうむによるもの (https://nocona.cucmber.net/eryngium)、おさによるもの (https://followlink.osa-p.net/recommend.html) などがある。一方で、おすすめユーザーの逆進性 [3, 4]、すなわち、すでに有名なユーザーがさらにフォロワーを増やしていく性質が問題視されている。
マストドンの流行が一段落して、ActivityPubを利用して連合を形成する複数の分散SNSが出現している。Pleroma、PeerTube、Misskey、Numaなどが挙げられる。
マンスリードネーションプラットフォームでは、Patreon、Enty、ファンティアに加えて、ci-enとpixivFANBOXが参入した。
このように、マストドンのブームが生み出したエコシステムは、新たなプレイヤーを次々と生み出している。一方で、かつてその中心であったマストドンは、停滞の途をたどりつつあるようにも見受けられる。
2018年4月28日 墓場人夜
参考文献
[1] 墓場人夜, joinmastodon.orgは古参インスタンスを優遇していた, https://hakabahitoyo.wordpress.com/2017/12/06/unfair-listing-in-joinmastodon-org/
[2] 墓場人夜, マストドンインスタンス一覧を自動で作る, https://hakabahitoyo.wordpress.com/2018/01/15/peers-api/
[3] 墓場人夜, マストドンのユーザーレコメンデーションがブームに?, https://hakabahitoyo.wordpress.com/2018/03/29/mastodon-user-recommendation-2018/
[4] 墓場人夜, 脱中央集権のためのデザイン: セレブのためのインターネットを99 %の手に取り戻す, https://hakabahitoyo.wordpress.com/2017/12/24/decentralization-by-design/
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